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毎年、毎年「秋到来」を最初に感じさせるものは、玄関口に植えられたキンモクセイの花の香りです。温暖化現象でまだまだ暑いと思っていても、9月の下旬頃ともなると、どこからともなく芳しい香りを辺りに漂わせます。よくみるとキンモクセイの黄色い小さな花が奥ゆかしくも咲き始めています。
「あぁ、秋か!」今年もこの年齢になると、随分と低下した己の体力と重ね合わせて侘しい秋を感慨をもって迎えています。
10月4日(土曜日)は宝塚ゴルフ倶楽部・宝友会でご一緒させていただいている大原クリニック院長大原先生ご夫妻のお招きで、ご自宅でのお馴染みの「高嶋優羽さんソプラノ・ミニコンサート」をたっぷり聴かせていただきました。特に高嶋さんが世に認められる出世作となったモーツアルトの歌劇「魔笛」の中の「夜の女王のアリア」は秀逸でした。
翌10月5日(日曜日)は元気印に二重丸の宝友会のいつもの友人たちとゴルフプレー、しかもワン&ハーフのプレーした後、夕刻より大阪随一のライブハウス「ビルボード」へ駆けつけました。
我々大阪西ロータリークラブ会員・安積覚さん&バイマーヤンジンさんのライブ鑑賞です。(周りの友人たちから、「お前、しんどくなるのは当たり前や!」)
安積さんは自称Anjiという名前で、毎年ライブハウスで演奏されているミュージシャンです。彼のすごいところは安積濾紙株式会社社長としてりっぱな業績をあげている一流の経営者でもあるところです。ギター演奏しながらのその歌唱力は誠に素晴らしく満員の観客を釘づけにしました。
バイマーヤンジンさんは我々にとってお馴染みのチベットから来日し、日本で活躍されている歌い手さんです。しかも出演料でチベットで子供たちのためにと、学校を建設されてその数は十校余りになっているとのことです。中国四川大学音楽部・声楽科を卒業した本格的なソプラノ歌手で、これまた観客を魅了させずにおられませんでした。
10月12日(日曜日)は私たちの会合でよく歌っていただいているソプラノ歌手 喜多美幸さんが京都・高台寺でライトアップ・コンサート出演とあって、馳せ参じました。
登場する出演歌手はそれぞれあちらこちらのコンクールで優勝されている実力派歌手ばかりです。
秋気配濃くなった京の夜・高台寺御堂での演奏は幻想的でしんみりと聴かせていただきました。
この高台寺コンサート日に合わせて、会員 高橋洋祐様(田中貴金属元会長)よりいただいた会員制ホテルメンバー券で、新しくオープンした「東急ハーヴェスト鷹峰」に一泊利用させていただきました。何とも贅沢な露天風呂、数百年の時を経た日本庭園、そして部屋からの京の都の眺望。これはまさに文化遺産であり、経営の安定している東急グループが取得してもらってホントに良かったと感じざるを得ませんでした。
思い出せば西宮甲陽園の「播半」や「つるや」、須磨の藤田ガーデン…それに…私共一族で所有していた「六甲花壇」の名庭園などは跡形もなく消えてしまいました。盛者必衰の無常を感じざるを得ません。
夕食は離れ座敷での京料理。
さすが京都。何もかも美味しい。特に天ぷら。揚げ方は衣の量といい、芳ばしさといい、今までの私の人生で一番おいしい天ぷらではなかったかと思います。
庭園の中にある、離れ座敷にカーペット敷きつめ、椅子席を設け私達家族と一緒に20人ほどのお客さんがこの京料理を静かに賞味談笑していました。
着物姿のお女中さんが料理を運んだり,引き揚げたり、足繁く歩きまわっているカーペットのその上に・・・
「ちょっと! 待って! そこにコオロギが! 踏まれる!」私は思わず声をあげ、立ち上がろうとすると、若いお女中さんが駆け寄って手際よく両手で包み掴んでくれました。私は「庭に放したって!」その女中さんは軽い会釈しながら窓の外へ放してくれました。
私は彼女に「きっとあなたの恋人か、縁あった人がコオロギになって、あなたに会いに来たんですよ!」
横から「お父さん、要らんこと言わんでよろしい!」
すがたかへ 通ふ女中の 足許に
秋虫ひとつ 君かとおもふゆ
10月29日は私の誕生日。早めに会社を切り上げ、アメリカンビーフで有名なローリーズというハービスエントにあるレストランで家族食事会をすることになりました。リーガロイヤルホテルのヘルスクラブへ入ると、いきなり女性スタッフたちが声を揃え、大きな声で「横尾さん、お誕生日おめでとうございます!」
「えっ、ボクの誕生日覚えてくれているの? ありがとうございます。」
いずれにしてもこのロイヤルホテル、毎日通っているとホテル従業員全員が私の顔を覚えてくれていて、有難いやら有難くないやらです。
そしてレストラン・ロウリーズのお肉の料理は500グラムはあろうかという凄い量の骨付きローストビーフです。
この美味しい肉料理をいただき、ワインとシャンパンと食べ過ぎで、夜中までうんうん唸っていました。
翌朝目が覚めると、数人の方からお誕生日お祝いメッセージ・メールいただいていました。有難うございました。
31日は親しくさせていただいているMさんのお招きで再びライブハウス・ビルボードへ。私にはお馴染みのKOKIAコンサート。声の伸びといい、やはり上手い!
しかしKOKIAさんはやっぱりコンサート形式が似合っています。数年前から何度か聴いて、「これは神の声か!」と錯覚したあの感動とは違っていました。
それに伴奏者(ピアノ・ギター、ドラム)の前奏や間奏が長過ぎ、それも超スローテンポで間延びした退屈な演奏になっていました。
もう76歳。人生のゴールは見えてきました。もうじたばたしても仕方ない。ゆっくりとスローライフをたのしむことにしよう! と思っているのですが、カレンダーにはすぐ予定がびっしり埋まってしまいます。
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