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荀子は「それ学は通のためにするにあらざるなり。窮して困らず、憂へて心衰へざるためなり。禍福終始を知って惑はざるがためなり」と言っています。
学問勉強するということは、卒業免許状を貰って出世するためのものではありません。
病気になったり、事業がうまくいかなかったり、上司に認められなかったり、貧乏したり、友人から裏切られたり、人生にはいろいろと行き詰まることがあります。壁にぶっつかったり、身動きがとれなくなることがあります。
人生は自分の思い通りにならないことの方が多く、人生という長い道のりは考え方によっては困窮の時代が大部分であると言っても良いと思います。
しかし、どんなに窮しても、行き詰っても、泣き言や愚痴を並べてくよくよするようなことなく、しゃんと背筋を伸ばして、じっと次のチャンスを待つことです。人生長い目で見れば、不幸や禍と思ったことが、意外に幸福のもとであったり、幸福と思っていたことが、逆に不幸や禍を作るものであったりするものです。
一時の禍福に驚いて右往左往するようでは、まだまだ人間としての修養が足りないのではないでしょうか。
本当の学問というのは、物事が如何に始まり、如何に終るか、その道筋や、因果の理法をわきまえて惑うことのないような心を養うことである、と教えています。
私たちは教育を受けることにより、己の心を養い、己が成長し、己の哲学を持つようになり、たった一回きりの人生を有意義たらしめるのではないでしょうか。 |
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