平成25年4月28日  ワインを楽しむ(1)

貧乏が邪魔していたのか、世間知らずだったためか、ワインといえば赤玉ポートワインか木曽駒高原で売っている甲州ワインでした。周りの友人たちに刺激されて、最近になってやっと色々なワインを楽しむようになりました。
特に赤ワインはポリフェノールを含有し、血管の若返りにつながるとの新聞記事を読み、私のように頭の血管が一度破れた人間にとっては有難いことだと、もっぱら安物の赤ワインを楽しんでおります。
ワインは好きになればなるほど味が何となくわかるようになり、口が肥えて、高級なものが欲しくなり、いわゆる「飲み上がり現象」が生じてきています。
ワインは知れば知るほど奥行は底知れぬ深みを持っています。

まず、「色」。色で熟成度がわかるらしいです。赤、白、ロゼ、いずれも透き通って輝いているのがグッドとか。

<赤ワイン>
若いほど青みがかった赤で、年を経るにつれて黄味がかり、高級ワインには澱(おり)がありますが気にすることはないとのことです。

<白ワイン>
緑がかった白はできたて、黄金色は飲み頃。ビンの底にキラキラと細かいザラメのようなものがあっても問題なく、むしろワインのダイヤモンドといわれ、優良ワインの証拠とか。

<ロゼワイン>
桜色は若い。桃色で飲み頃。長く熟成させて飲むワインではないので、きれいなピンク色のうちに飲むと良いとのことです。

次に「香り」。ワインの香りには「ぶどう自体の香り」「発酵してワインとなったときの香り」「熟成した香り」の三種類の香りがあり、それらが混じり合ってワインの香りとなります。

香りの嗅ぎ方

1. グラスを鼻にもっていく・・・アロマ
ここではぶどうそのものの香り(アロマ)をチェック。「アロマがある」とは、ぶどうの品種の香りが良くでているということです。

2. グラスを静かに回す。
ワインを空気によく触れさせる。

3. もう一度香りをかぐ・・・ブーケ
このときの香りは‘熟成した香り(ブーケ)‘、飲み頃かどうかを判断する。


「味」
甘味:極甘口から極辛口まであり、甘口はブドウ自体の糖分が多く、発酵が終わっても糖分が残っている。辛口は糖分を全部発酵させて残っていない。
酸味:酸味はワインのうまみの重要な要素。糖分と酸味がバランスよく入っていないとうまくない。冷やすほどに酸味が強くなる。
渋味、苦味:白ワインには強く出てはいけないが、赤ワインにはある程度必要。若いうちはただ渋い、苦いだけだが、熟成するにつれてマイルドになります。
アルコール度:アルコール度が高いほど、コクが感じられ、良いワインとされている。


ワインの味を決めるのは甘味、苦味、酸味、渋味、それにアルコール度がありますが、これらが混然と一体になり、バランスよく含まれていることが大切です。また味に奥行き、深み、重さ軽さなど・・・言葉で表現できない領域まで要求されるようです。
こうした事柄はわれわれ人間自体の人格にも要求されているように思いますが・・・。

「ワインの歴史は人類より古い」と言われます。ぶどうの原産地は中央アジアで、人類の誕生以前から野生のぶどうがあり、ぶどうの木から落下した果実の糖分が自然に発酵したのがワインの始まりといわれています。
そしてワインがヨーロッパに広まったのは、ローマ帝国が誕生してからです。
日本にはポルトガルの宣教師が織田信長に献上したポートワインだったと言います。当時のワインはとても貴重なもので、薬として飲まれていたそうです。

ワインはブドウの果汁を発酵させてつくった醸造酒です。ブランデーもブドウからつくられた酒ですが、こちらは発酵後さらに蒸留してアルコール度を高めた蒸留酒です。ビールや日本酒はワインと同じ醸造酒ですが、ビールは大麦、日本酒は米を原料としています。
ワインは、その年に収穫されたブドウを使ってつくられるので、年に一度ブドウの収穫時期だけにしかつくることができません。
そしてその年のブドウの出来具合によってワインの味も大きく異なってきます。米や麦などの乾燥穀物を原料とする酒なら、年中つくることができるし、品質も安定させることが容易です。11月の第三木曜日が解禁日であるボージョレー・ヌーボーでその年のワインのお祭り騒ぎと定着しています。
ワインは樽で約2年冷暗所で熟成させますが、さらに瓶詰されてからも静かに熟成が続いていきます。

ぶどうには生食に適した品種と、ワインに適した品種とがあります。
食べるために栽培されたブドウからもワインをつくることができますが、水っぽいワインになってしまうそうです。これは酸味が足りないためだそうです。
生食用は甘味が第一ですが、ワイン用は甘味プラス酸味が必要となります。糖分とバランスのよい酸味が、ワイン独特のまろやかさとコクを出します。
ワイン用のブドウは皮の厚さや見た目のよさにはこだわりませんし、また強い香りもワインには適さないそうです。
世界にぶどうの品種は数万種ありますが、ワインに使われているのは約四百種、そのうち優良ワインになるのは約五十種でほとんどがヨーロッパ種のものだそうです。
ワインの多様性は、ブドウの種類の多さにあるといわれています。ブドウづくりの歴史の中で、異変と交配と淘汰を重ねた結果、各地に独特の品種が分布するようになりました。こうした品種の違いに加えて、ぶどう畑の土壌や気象、醸造方法などが複雑に関係して、産地によるワインの個性が生まれているということです。


ワインの種類
製造法によって四種類に分類されます。

1. スティルワイン(無発泡性)
炭酸ガスが含まれていないいわゆる一般的なワイン。

2. スパークリングワイン(発泡性)
炭酸ガスが含まれているワイン。シャンパンはその代表です。
私は普通のワインに炭酸ガスを吹き込んで注入製造するものとばかり思っていました。
違いました。
スティルワイン製造工程で酵素と砂糖を入れてから瓶詰するそうです。そうすることにより、熟成・自然発酵して炭酸ガスが発生して、美味しいスパークリングワインが仕上がるとのことです。

3. フォーティファイドワイン(酒精強化)
スティルワインを醸造する途中、または醸造後にブランデーなどを加えてアルコール度と甘味を残したワイン。
ポートワインやシェリーなど。

4. フレーバードワイン(香り付け)
スティルワインに果実、果汁、香草,香辛料、はちみつなどを加えたワイン。
ベルモットやサングリアなど。




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