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今年は初秋からいきなり厳冬がやってきています。地球上の北半球北部の冷たい偏西風の帯が異常に迂回して、寒気団がヨーロッパや日本などを直撃している、とテレビのお天気お姉さんが説明しています。
今日12月2日も朝から寒く、それに冷たい雨を伴った横殴りの風が吹き、まさに冬将軍到来という天候です。
お馴染みの今や関西を代表するソプラノ歌手の一人・高島優羽さんのコンサート出演とあって、いずみホールへ馳せ参じました。
曲目はモーツアルトの「大ミサ曲」ハ短調k427です。
この大ミサ曲は男女合唱団をバックに第一ソプラノ、第二ソプラノ、テノール、バスがミサ曲を歌い上げる荘厳にして、非常にきれいな宗教曲です。
実は若い頃からこの曲が好きで、まだDVD、CDがない頃、レコード盤のレーザーディスクを買い求め、何度も何度も聴いていました。
特に終盤近くのCredoの中の12番エト・インカルナートゥスという題の11分42秒のソプラノ・ソロはこの世のものと思えない美しい曲であります。私は優羽さんに「12番が好きです。楽しみにしています。」とメールしておきました。
モーツアルトはこのミサ曲は一気に書き上げたのではなく数年かけて作曲し組み合わせたようです。優羽さんによると「演奏家によっては同じ曲が繰り返し演奏したりするので、必ずしも12番になっていません。でも横尾さんの好きな曲はこの曲! と分かっていたので一生懸命歌いました。」とは演奏後すぐ落ちあったホテルニューオータニ大阪でのお話でした。
優羽さんはこの長いソプラノ・ソロを満員の聴衆を前に見事に歌い上げました。やはりこの世のものと思えぬあの神秘的な高音のソロでした。
実はこのコンサート、音楽に造詣の深い先輩Mさんとご一緒約束していました。
いずみホール前でお待ちすること10分、Mさん冷たい雨風のなかどこからともなく現れ、二人で座席番号をとりました。それから数分後「横尾さんですか!」と声をかけられました。なんと学生時代からお会いしてない友人二人でした。そして四人で座席番号を照合し合うとなんと四人並んでいる席でありませんか。
不思議なことでした。ということで四人並んで鑑賞となったのであります。
コンサート終了後、楽屋に優羽さんを訪ねました。「今日は打ち上げがないのですぐ解散になりますから、」とのことでホテルニューオータニでコーヒーとサンドイッチを取って待っているところへ優羽さんも駆けつけてくれ、五人で今日の演奏など音楽談義に花を咲かせました。
いい音楽を聴き、不思議なことが起こり、旧友を温め、優羽さんを中心に心地よい会話がはずみ、夢のような一日でした。 |
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