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本日の日経新聞朝刊に「高齢者よ肉食を!」という見出しで、私達の今までの常識から少し逸脱した注目すべき記事が掲載されていました。
中高年にとって、肉を食べるのは肥満の原因といわれてきた。
しかし、食が細くなりがちな高齢者は意識して肉を食べるようにした方がよい。
転倒による骨折や貧血を防げる。老化を遅らせる効果も期待でき、専門家は「毎日食べて欲しい」と話す。
中高年にとって、肉のとり過ぎはメタボリック(内臓脂肪)症候群につながるとの印象が強い。
老化に伴って、食が細くなるうえに、栄養の吸収効率が下がる。野菜ばかり食べていたら、栄養不足になってしまうからだ。
特にたんぱく質が不足すると、足腰の筋力が低下し、転倒しやすくなる。高齢者の弱った骨は折れる危険性も高く、寝たきりになってしまう。病原体などから身を守る免疫機能も低下しがちだ。
人間の筋肉や内臓などを作るたんぱく質は20種類のアミノ酸からできている。トリプトファンやリジン、バリン、メチオニンなど9種類の「必須アミノ酸」は体内で合成されず、食事で補うしかない。
肉は魚介類とともに必須アミノ酸をバランスよく含んでいる。
一方、植物性食品は大豆を除いて含有量が少ない。
肉に含まれるアミノ酸は加熱調理しても壊れにくい。体内で吸収される効率も97%と高く、植物性の84%を上回る。
貧血予防にも役立つ。貧血は若い女性に多いと思われ勝ちだが、高齢者でも10人に1人いるとされる。特に多いのが鉄分不足することで起こるタイプだ。
鉄分が多い食品というとほうれん草を思い浮かべる人が多いが、体内に吸収されにくい構造になっている。
肉に含まれる鉄分は吸収効果が20%から30%と、植物性のものより3倍から5倍高い。牛肉の赤身やレバーは鉄分を多く含む。
脂肪に含まれるコレステロールも、適量なら血管を丈夫にし、脳卒中を防止する効果があるとの報告も出ている。
では、どれくらいの量を食べればよいのか。獣医生命大の西村教授は「一日に100グラムが目安となる。最低でも、朝食、昼食、夕食のどこかで食べるようにして欲しい。」と話す。
肉には健康を維持するうえで欠かせない栄養素が豊富に含まれている。
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