平成24年4月21日  今年も花粉症で悩まされました。

自宅の書斎の机を整理していましたら、今から11年前に私がロータリークラブの会長をしていた時の毎週の会長挨拶のメモの一部が出てきました。





(平成13年4月9日)

「皆さんこんにちは。桜はいまが満開であります。何か心がうきうきしてまいります。一方この時期一番困るのは花粉であります。国民の10人に一人が花粉症にかかっているともおもわれております。花粉症は花粉が原因で起こるアレルギー性炎症であります。主なものはアレルギー性鼻炎とアレルギー性結膜炎ですが、喉頭炎、咽頭炎、皮膚炎、風邪症状、喘息などが出る場合もあります。春先は特にスギ、その後ヒノキも加わり花粉を撒き散らします。花粉のなかにアレルギーを誘発する成分があるらしいということです。

わが国では戦後、荒れ果てた山にいっせいにスギの植林がされました。スギが住宅資材として有用であり、しかも成長が早いということで、クヌギや樫などの広葉樹林にも、いっせいにスギに植え替えられました。スギは植林後40年ほどで成木になり、花粉を飛散させます。戦後植林された杉が成木になり、しかもそのスギが手入れされてないものですから荒れ放題、枝も伸び放題となり、花粉撒き散らし放題というのが実情です。

スギが植林された当時の思惑では、もうとっくに伐採されていて、住宅に使用され、またその後に苗木がうえられるという循環型の林業が成り立っていたはずでした。しかし日本でも鉄骨や鉄筋コンクリートのマンション集合住宅、プレハブ住宅が増え始め、小子化による若年人口減少、人口移動から大都市圏の過密化による住宅用地難など、さまざまな要因で木造住宅着工が減少してきたのが実情です。

しかもその上、海外からの安価な輸入木材が入ってくる、日本の人件費が高い。第一、林業に就こうとする労働者が居ない。などますます日本の山林は荒れ放題となっています。

さらにさらに、昨年4月(平成12年)から建築基準法が改正になり、住宅の性能保証を義務付けられました。ここでは木材のちょっとした狂いが許されなくなりました。その狂いは1000分の6が限度ということであります。しかも10年保証ですから、これは国産材にとって大変厳しいハードルであります。住宅が10年経過して、2階の床にゴルフボールを置いて動き出すのが1000分の6であります。因みにパチンコ玉が動き出すのは1000分の3の誤差からだそうです。
一方日本のスギは収縮率が大きい、また人工乾燥したら狂いが生じ易い、割れるなどの欠点を持っております。おまけにスギは内部繊維が短いという欠点も持ち合わせており、木材の曲げ強度が弱く、他の樹種の概ね60%ぐらいの強度となっております。
私どものプレカット工場でも木造住宅を工場で量産しておりますが、この建築基準法改正のおかげで住宅部材にスギを全くといっていいほど使用されなくなりました。

現在の使用木材はフィンランドなど北欧から輸入されるホワイトウッド、レッドウッド(欧州アカマツ)の集成材や北米から輸入される米松人工乾燥材が主体となり、日本のヒノキが10%位の使用率となっています。

現存するスギの成木が老木となり花粉を撒き散らさなくなるまでには、あと30年かかると言われております。今のままでは、われわれはずっと花粉症に悩まされなければなりません。

日本の林業行政のあり方を根本的に変更していく必要があるのではないでしょうか?」




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