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(10) |
人を看るには只だ後の半載(はんせつ)を看よ。
(菜根譚)
人の値打ちを知るためには、ただ後半生を見るだけで良い。若い時の過ちなどはとるに足りないものであり、人間の眞の価値は円熟した晩年の生き方によって決まる。
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(11) |
世に処するは一歩を譲るを高しと為す。歩を退くは即ち歩を進むるの張本なり。
(菜根譚)
世を渡る時は、人に一歩を譲る心がけが尊く大切である。人のために一歩身を引く控え目な態度が、やがて自分のためになる。
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(12) |
獣(けもの)を遂(お)う者は、目に大山(たいざん)を見ず。
(准南子)
獣を追いかけている者には大山(泰山)も目に映らない。欲望に目がくらむと、正確な判断力が失われる。
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(13) |
伏すこと久しき者は飛ぶこと必ず高く、開くこと先なる者は謝すること独り早し。
長い間伏して力を養っていた鳥は他の鳥よりも必ず高く飛翔する。
「謝」は花の散ること。
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(14) |
万里を行く者は、九十に半(なか)ばす。
(戦国策)
何事も、最後のつめの部分が難しい。
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(15) |
其の儀を正して其の利を謀らず、其の道を明らかにしてその功を謀らず。
(近思録)
物事を判断するとき、それが道徳的に正しいかどうかを考え、自分の利益になるかどうかは考えない。
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(16) |
功は成り難く敗れ易く.時は得難くして失い易し。
(史記)
好機はつかみにくく、失いやすいものである。
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(17) |
富を為せば仁ならず。仁を為せば富まず。
自分の富をふやそうとすれば、人に対して思いやりの心がなくなる。
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(18) |
疾風に勁草を知る。
(後漢書)
強風が吹いて、はじめて強い草が見分けられる。
「疾風知勁草」
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(19) |
「寛則得衆」
寛なればすなわち衆を得。
おおらかであれば人望が得られる。
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(20) |
「君主固窮」
君主固(もと)より窮す。
君主だってやはり困窮することはある。しかし小人のように困窮したからといって乱すことはない。
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(21) |
知者は惑わず、仁者(じんじゃ)は憂えず、勇者は懽れず。
(論語)
知者とは物事の道理に明らかな人であるから、いかなる局面にも迷うことはない。
仁者は道徳の基本をわきまえて理にかなった行動をするので心配することはない。
勇者は志高く、決断力も晶るから、すべてにおいて動揺したりしない。
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(22) |
いかなる大企業といえども、5年間何ら思い切った手を打たず、現状に満足し続けていれば、あっという間に傾いてしまう。
(旭化成 安崎輝)
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(23) |
世の中というのは人が予測もしない、奇想天外なことが起こるから、そのときにはどうすべきかを日頃から考えておかなければならない。
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(24) |
腐木(ふぼく)をもって柱と為すべからず。卑人(ひじん)は以って主と為すべからず。
(漢書)
腐った材木は柱とすることができない。志の低い人間を主人として慕うことができない。 |
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