平成23年9月5日  人生を考える(5)

  (23) 自分に欠点があるから他人の欠点が目に付く。他人の欠点が目に付く間は、まだ駄目である。

(平沢 興)
 



  (24) 人間というのはいろいろな苦しい試練に出会う。その試練に応戦することにより、人間は成長する。
心理学者C.G.ユングによれば、人間は普通、自分の持っている能力の50%だけを働かせ、残りの50%は、全く置きっぱなしにしているという。ウイリアム・ジェームスは、潜在能力の10%以上を実現している人には会ったことがない、と述べている。さらにマーガレット・ミードは6%、ハーバート・オットにいたっては5%という数字をあげている。
そういった眠れる潜在能力の可能性を引き出す具体的な方法として、挑戦と応戦、つまり、人生の挑戦にこたえることによって、自分の中の潜在能力を開発していくのである。
「人間的な強さ」を獲得するためには、生涯にわたって、挑戦に対して的確に応戦する習慣を身につけることが大切である。
心の持ち方として、常にユーモアのセンスを磨いて、物事の良い面を見ようとする積極的な態度の人は、人間的にも自分の真価を発揮して力強く生き抜けられる。
人生の挑戦に対する不断の応戦によって、心を鍛え、自らの悩み、苦しみにも拘わらずユーモアと笑いを忘れずに、他人のために喜ばしく、温かい雰囲気を作り出していく生きかた、それを身につけることこそ、眞に人間的な強さを培うことではないか。
 



  (25) 倹約は、ケチのためではなく、身を引き締めるためのものである。

(森 信三)
 



  (26) 強い人とは
自分を抑えることのできる人。
敵を友に変えられる人。
人を賛美できる人。

(タルムード)
 



  (27) 人間は何かしに生まれてきたものだ。何もしないために生まれてきたのではない。
それなら何をしたらいいか? それは自己を完全に活かすよう努力することと、隣人のために尽くすことである。人間はまだ正しく生きることがなかなかできない境遇にいる。それを人間全体が人間らしく生きられるように骨折ることをわれわれは命じられているのだ。

(武者小路実篤)
 



  (28) 生きがいというのは理屈ではなく、生理的にくる実感である。精神的にそう感じないわけにいかない自然から与えられた感情だ。だから自ずと元気になり、嬉しくなれば理屈はどうでも元気になり、嬉しくなるのは事実として認めないわけにゆかない。

(武者小路実篤)
 



  (29) 自分の理想的な職業というのは、その職業のために働けば働くほど、自分のためになり、他人のためになる仕事だ。働けば働くほど、肉体も健康になり、精神も健全に満足できる仕事である。
いい仕事をすれば、それは自分の健康のためになると同時に品性が良くなり、他人への愛が増し、自分の生命が向上すると同時に、他人の生命が向上する仕事である。
お互いが協力し、研究し、労働し、人間のためになる仕事をすることで報酬が得られる。
われわれの望む健全な社会は、すべての人が正しく働くことができ、そしてすべてのひとが正しく働くことで、文明もどんどん進むし、人間もますます幸福になれる世界である。
甲も生き、乙も生き、丙も生き、全部生きる。そしてお互いに尊敬し合い、愛し合い、助け合える。
それが自然のわれわれ人間の望んでいる生活方法である。その方向に向かって働く限り、すべての人は生きがいを感じ得、元気になれる。

(武者小路実篤)
 



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