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日本を代表するヴァイオリン奏者 戸田弥生さんが大阪 ザ・シンフォニーホールで演奏されるということで、彼女のご招待で聴きに行きました。
大阪交響楽団の定期演奏会に客員奏者としての演奏でした。
曲目はシベリウスの「ヴァイオリン協奏曲二短調作品47」。
シベリウスは、ご存知のとおりフィンランドの作曲家であり、フィンランドの英雄であります。彼の作曲した「フィンランディア」はロシアやスウェーデンの圧政に対するフィンランド人の怒りや怨みを表現した曲としてフィンランドの第二の国歌とも言われ、あまりにも有名です。
本日演奏のヴァイオリン協奏曲も難しい曲でしたが戸田弥生さんのまさに名演奏で聴かせていただきました。
シベリウスの曲は、素人の私には非常に難解で、暗く、陰鬱で、荘厳で、人間の持つ感情や醜さを表現しているのか? 自然の持つ怖さを表現しているのか? 民族の対立を表現しているのか? フィンランド人の抵抗精神を表現しているのか? 一人の人間の生涯を表現しているのか? ・・・いや違う?・・・そんなことを考えながら聴いているうちに終わってしまいました。
ヴァイオリン協奏曲といえば、チァイコフスキーやメンデルスゾーンのものが、ヴァ
イオリンの持つ甘い音色がふんだんに入って私の心をなごませてくれています。
本日の演奏会はすべて難解なシベリウス作品で、他に「カレリア組曲」「交響曲第2番」でした。(戸田弥生さんは出演されていません。)
「カレリア組曲」もロシア領土となったカレリア地方の民族の旋律を採り入れたもの
らしいです。また「交響曲第2番」も「ロシアの圧政に抵抗するフィンランド人の抵抗精神を表した」とも言われているそうです。
ただ、シベリウスは否定していたそうです。
いずれにしても、温和で人間的に深みのある名演奏家・戸田弥生さんならではのシベリウスの名演奏であったと思います。
演奏がすべて終了すると、指揮者や演奏家が客席に向ってお辞儀をして、観客の拍手
に応えている最中に席を立って帰っていく心無い観客が少なからず居たのは、大阪人のマナーの悪さでしょうか?
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