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私達の所属する大阪西ロータリークラブでは台湾高雄西ロータリークラブと姉妹クラブ提携してもう38年になります。毎年会員が相互訪問し親交を暖め、台湾留学生の受け入れや地震台風災害時の現地へのお見舞いなど親善と奉仕の実をあげています。勿論阪神淡路大震災の時には被災者にクラブを通じて多大なお見舞いをいただきました。
この5月にまた引き続き姉妹クラブ継続の調印式を行うべく、当クラブから中西洋介会長以下13名の会員が訪問し親善の実をあげることになっています。
台湾で私達日本人が忘れてはならないのは、蒋介石総統のことであります。
太平洋戦争終了後、日本から最も被害を被ったにも拘わらず、蒋介石総統は対日賠償請求権を放棄し、しかも当時連合国の間で(特にソ連が)日本を分断国家とすべきであるという案、北海道はソ連領土とし、本州はアメリカ、四国はイギリス、九州は中国と分割占領する、という案に一人強く反対し、彼はアメリカ単独占領を主張し、米国のルーズベルト大統領やイギリスのチャーチル首相を説き伏せ、日本は分割国家の悲劇を見ずに済んだのです。
その上、終戦当時中国大陸には日本軍将兵130万人、民間人85万人いたそうですが、敗戦になった時から中国にいた日本人の心理は実に惨めで哀れな状態であったそうです。
蒋介石総統は彼らを捕虜にしたり、虐待したりすることなく、すぐさま日本に帰国させるよう手配をとりました。この返還輸送のために全中国にある列車や船舶の80%が動員され、わずか10ヶ月という短期間で大陸にいたすべての日本軍民の祖国復帰が実現したのです。
クリスチャンであった蒋介石総統はキリストの「汝の敵を愛せよ」の教え、それに基づく「恨みに報いるに徳をもってせよ」の精神で敗戦で打ちひしがれた日本に接してくれたのです。この蒋介石総統の寛大な処置があったからこそ、日本は分割されずに済み、今日の繁栄を勝ち得たのではないかと思います。
私はいつもこのことを心に刻みながら台湾の人たちと接しています。後世の人達にも語り伝えていきたいと思っています。
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