平成22年4月16日 繊維の種類
  「洋服を買う時に お手入れの時に」  

先日、神戸大丸にジャケットとパンツを買いに行きました。今までから錦100とかポリエステルやシルクがいくら混じっていると説明受けてもあまり良く解りません。そこで本やパンフレットを引っ張り出して調ペました。

繊維は大きく分けて天然繊維と化学繊維の2種類に分けられます。
天然繊維は植物繊維と動物繊維に分類されます。


植物繊維

●綿(コットン〉、
●麻(リネン、ラミー、ヘンプ、ジュート、マニラ麻 など)
●椰子繊維 等



動物繊維

●毛(ウール):羊毛、山羊毛
 一般的にウールとは羊毛(メリノ種の羊の毛)を指します。
 他に
 ○カシミア(カシミア山羊の毛)
 ○モへヤ(アンゴラ山羊の毛)
 ○アルパカ(アルパカ・ラクダの一種の毛)
 ○ピキューナ(ピキューナ・アルパカの仲間の毛)
 ○アンゴラ(アンゴラうさぎの毛)
 等の商品もウールと総称しています。
●絹(シルク)


化学繊維

●無機繊維
●合成繊維(ナイロン、ポリエステル、アクリル、ポリウレタン)
●半合成繊維(アセテート、トリアセテート〉
●再生繊維(レーヨン、ポリノジック、キュプラ)
●精製繊維




綿(COTTON)
最もポピュラーな繊維、日本の衣料用繊維の約40%を占める。毛の太さ、原繊維の長さによって価格が違います。一般に長くて細いものの方が高級とされています。
繊維の先喘が丸みをもち、柔らかくまた水分を吸収、発散するので肌触りがよく着心地がいいです


綿の取り扱い
摩擦によって毛羽だつため、色物は白くなってしまう。着用時、ショルダーパッグなどで擦れないように、また洗濯時に他のものと擦れないように注意。また色物は濡れたままにしたり、つけおき洗いすると色がにじみ出ることがある。
中空繊維のため、水分を含んだ後乾燥をすると縮みが発生する。洗濯の後は少し引っ張るようにして元のサイズに合わせて形を整え自然乾燥してタンブラー乾燥は避ける。


絹(SILK,SETA)
蚕蛾の幼虫が成虫になるための繭(巣)から取った絹繊維を原料とする。この細い繊維の中に中空部分があり、保温性がよくまた繊維の断面が三角形をしていて光を反射する為きれいな光沢を放つ。絹生地の擦り合わさるシュッシュというきぬ擦れの音もこの断面形のためである。

絹の取り扱い
水に非常に弱い。雨・汗などで色物は特に色落ち、シミになる。雨の日の着用を避け、濡れた場合はすぐたたくようにして水分をふき取る。            紫外線に弱い。紫外線にあたると変色する。紫外線は蛍光灯の光にも含まれているから注意。窓辺、蛍光灯の下などに置かない。
変色する。香水や汗などで変色しやすいから注意。


毛(WOOL)
ウールというと 一般的には羊毛のことを指す。羊毛も生産量の約40%がメリノ種。
ほとんどが輸入品でその80%がメリノ種です。
原糸は縮れているので繊維にしたとき空気が多く含むので保温性が良く、また元来持っている脂質のため水をはじくが吸湿性は良い。


毛の取り扱い
弾力性ある反面、水を含んだ状態で揉み合わせると繊維自体に水分が含まれ縮んで堅くなってしまう。自宅で洗濯する場合は押し洗いをして脱水機、乾燥機の使用は避けて形を整えてから平干しをすること。
毛玉になる。着用時には摩擦を避ける。


カシミヤ(CASHMERE)
カシミヤ山羊からとれる毛で寒暑の厳しい地方で育ったその毛は軽くて柔らかく、光沢があり、その感触はしっとりした独特のものである。
繊維が細いのでしなやかで軽く吸湿性にも優れているが、型くずれを起こし易く毛玉になり易いデリケートな素材である。


カシミヤの取り扱い
基本的には毛と同じ。繊維が細いので摩擦に弱く毛玉になり易い。
毛が柔らかいので虫がつき易い。


モヘヤ(MOHAIR)
アンゴラ山羊から採れる毛が原糸。
産出量はアメリカが多い。トルコ産のモへヤは年に一回しか毛刈りしない為、毛足が長く柔らかく光沢ある最高級品。
手触りが良く柔らかくきれいな光沢感がある。弾力性があり、断熱性・保湿性にも優れています。毛は長くツルツルしているので抜けやすく静電気が起きやすい素材です。


モヘヤの取り扱い
毛が長いため毛足が乱れるので着用後はブラシで毛並みを揃えること。虫もカシミヤ同様つきやすいので手入れはこまめに。一般的にはカシミヤと同じ取り扱い。


アンゴラ(ANGOLA)
アンゴラうさぎから採れる獣毛。アンゴラうさぎは大型の毛足の長いうさぎで飼育に手間がかかる。中国で95%が生産されている。毛は白く光沢があるのでパステルカラーのように透明感のある色もきれいに表現される。毛の中心は空洞になっているので保温性に優れ、軽い。
アンゴラというのはトルコのアンカラの旧称で、うさぎや山羊の名称はこちらが発祥地です。西アフリカにある同名の国は関係ありません。


アンゴラの取り扱い
モヘヤ等と同じです。


レーヨン(RAYON)
テンセルと同様に木材パルプから作る繊維でパルプの繊維質を薬品で溶かす。一昔前まで人絹と呼ばれていたように絹のような美しい光沢感があり、柔らかい。
レーヨンはフランス語で「光」の意味。1884年にフランスで発明された。


レーヨンの取り扱い
特に水には弱く水分を含むと収縮して生地の強度も悪くなります。水滴がつくとその部分だけ水分を吸収して輪ジミのようになってしまう。水洗いは絶対せずに雨の日には着用しない。摩擦にも弱い。


ポリノジック(POLYNOSIC)
素材はレーヨンと同じパルプ。それを改良した繊維。繊維断面が円形をしたレーヨンと考えれば良い。水で縮む欠点は改良された。
特徴はレーヨンと同様光沢あり柔らかくドレープ性がありサラッとしている。水で縮む欠点は改良されたとはいえ吸湿性はいいので水滴がつくとシミのようになる。
ドレープとは洋服で布地がゆったりしているためにできるひだ。




キュプラ(CUPRO)
レーヨン、ポリノジックがパルプを原料としているのに対して、キュプラは綿実の綿花をとった残りの短い繊維(コットンリター〉を主原料としている。光沢感、優れた染色性、柔らかくドレープ性があり吸湿性が高いなどその特徴はレーヨン、ポリノジックと同様です。摩擦に強く、主に裏地として使用されている。
世界で唯一旭化成が生産している「ペンペルグ」がキュプラとのこと。


キュプラの取り扱い
レーヨン、ポリノジックより扱いやすく、基本的には水洗いができる。


アクリル(ACRYLIC)
石油が原料の合成繊維で短繊維と長繊維の二種類がある。それぞれウールとシルクに似た性質を持っている。石油系の原料(アクリロニトリル〉を使って1944年頃から生産されその85%以上を使用Lた物を「アクリル」、85%未満の物を、「アクリル系」と呼びます。
短繊維も長繊維もかるくて染色性に優れ、鮮やかに染まり色落ちもほとんどしません。薬品による変化も少なく虫害も受けにくいので保管は楽です。
熟には弱く変形、変質してしまいます。短繊維はシワになり難いですが、毛玉になり易い。長繊維は繊維が細いため引っかけを起こし易いです。


アクリルの取り扱い
比較的取り扱いやすい繊維です。基本的には家庭で洗濯できますが毛との混紡のものが多いので洗濯絵表示に従うこと。熱に弱いのでアイロン等には十分注意が必要。


ポリエステル(POLYESTER)
1950年代から生産されている石油系の原料から作られる合成繊維ですが、技術の進歩によりその種類は多様化している。マイクロファイバーと呼ばれるものやフリースと
呼ばれる物もポリエステルです。
吸湿性が悪いため、水分による収縮もほとんどなく乾燥も早い。弾力回復カが強くシワ、型くずれも起きにくく、熱加工して作ったプリーツ等の保持力も高い。静電気が起き易く細かく下降した物は熱に弱い。


ポリエステルの取り扱い
基本的に扱い易く、ほとんどは水洗いできる。フリースは毛玉になり易いので摩擦を避ける。極細のものは熟に弱いのでアイロンに気を付ける。


ナイロン(NYRON)
合成繊維として世界で初めて開発された繊維。1930年に発見され1939年から本格的に生産されている繊維でシルクの代用品としてストッキングに多く使われ“クモの糸より細く、シルクより美しく、鋼鉄より強い”というフレーズで一世を風靡しました。

強い繊維で染色性にも優れている。
吸湿性、吸水性が小さく短時間で乾燥する。
静電気が起きやすく熟には弱い。
紫外線に当たると黄変してしまう。


ナイロンの取り扱い
ほとんどのものが水洗いできる。
熟には非常に弱い。
紫外線と汗の双幅作用で変色することがあるので、汗の後すぐ洗い、陰干しすること。


PPT繊維
最近、綿との混紡でストレッチ性を持たせるために使用している繊難です。
表示はポリエステル或いはナイロンの場合があります。素材とLてはポリエステルとナイロン双方の優れた機能を持っています。
以前はストレッチ性を持たせるために、錦糸にポリウレタンを巻き付けたような繊維を使っていましたが、ポリウレタンの取り扱いが難しく洗濯によって縮み、素材間の変質が起き易く、素材自体も重い感じがしまLた。
それに比ペると、この繊維は柔軟性、伸縮性、また染色した梳きの発色に良さが優れています。素材自体も軽く柔らかいのでデザインもやさしいラインが出せるようになりました。


PPT繊維の取り扱い
繊維を細くして伸縮性を出すので熱には比較的弱くアイロンは低温で滞ることなくかけないと繊維が融解変質して破断してしまいます。しかし多少の形態安定性を持っているので洗濯時は多少水分を残すくらいにきつく絞らずシワを伸ばして干せばアイロンが必要ないくらいの感じで乾かすことが出釆ます。


アセテート(ACETATE)
1918年代にイギリスで開発された。原料がレーヨンと同じ天然セルロースを使用しているので半合成繊維と呼ばれています。
光沢、弾力性があり、ウールに近い感触がある。吸湿性、保温性もよくドレープも美しく表現できる。熟加工によるプリーツ加工等は長持ちする。
引っ張り強度、摩擦強度はともに弱く、化学反応も起こし易い。


アセテートの取り扱い
基本的に水洗いできる。摩擦、熱、引っ張り強度に弱く、毛玉にもなり易い。


ポリウレタン(POLYURETANE)
製品化されたのは1959年、日本では1963年から生産されている。
その特徴から伸縮性を必要としているストッキングや下着類に多く使われるが、近年ブラウスにもフィット感を求められポリウレタン混の生地を使用したものが多くなっている。
伸縮性が極度に大きく、粘りのある伸縮性を持っている。


ポリウレタンの取り扱い
熟と水分に弱い。熱や水分によって縮む。
ポリウレタンのみの生地のものは無く、混紡のものがはとんどですが、混紡率にかかわらず家庭での洗濯はやめる。
雨などで濡れた場合はすぐに叩くようにふき取る。



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