変異ウイルスについて

昨年2月よりの新型コロナウイルス感染拡大が依然として猛威を奮っております。

また最近では感染力の強い変異ウイルスが我国にも入り込んでいるようで、予断を許しません。

政府は我国にこのような変異ウイルスが外国から持ち込まれないよう、水際対策をしっかりして欲しいです。

『新型コロナウイルス感染症の第3波到来と同時に変異ウイルスが問題になってきています。

変異ウイルスとは、元のウイルスとは違った性質を持つウイルスで、その原因はウイルス遺伝子の変異です。わたしたちの細胞の遺伝子はDNAでできていることはよく知られています。しかし、新型コロナウイルスでは、DNAによく似たRNAという物質に遺伝情報が蓄えられています。

細胞でもウイルスでも、増殖する時には遺伝子の「正確な書き写し=複製」が必要です。しかしその時、必ず一定の割合で「写し間違い=変異」が生じます。一般論として、RNAの方がDNAよりも複製の際に変異が起こりやすいという性質があります。ただ、コロナウイルスは、インフルエンザウイルスやエイズの原因であるHIV(ヒト免疫不全ウイルス)のような他のRNAウイルスほど高率に変異がおきるわけではありません。

新型コロナウイルスの表面にはエンベロープタンパク質があり、そのタンパク質が鼻やのどの粘膜細胞の表面にあるACE2というタンパク質に結合することによって細胞へと侵入します。英国で見つかった変異ウイルスは、エンベロープタンパク質のACE2結合部位に変異が認められており、おそらくその変異によってウイルスが細胞にくっつきやすくなり、感染性を高めているのではないかとされています。

RNAの遺伝情報は、A、U、G、Cという4つの文字で書かれているのですが、新型コロナウイルスの場合、その4種類の文字が約3万個つらなっています。どこに変異が生じるかはほぼランダム(規則性がない)なので、変異が生じても必ずしも感染性が高まるとは限りません。それどころか、変異によって増殖できなくなるウイルスの方がはるかに多いはずです。

変異はランダムですから、感染力が強くて誰も症状を示さないウイルスが出ないとも限りません。そうなったらうれしいのですが、逆に、感染力が強くてワクチンが効かない最悪の変異ができるという恐ろしい可能性もあります。

ウイルスは悪だくみをするとか、したたかであるとか言われることがありますが、決してそんなことはありません。ウイルスというのは、基本的にはタンパク質と遺伝子からできた感染性の粒子にすぎません。そのようなものが意図など持てるはずがないのです。あくまでも、人間からはそう見えてしまう、というだけのことです。

変異の生じる確率はほぼ一定と考えられますから、感染者が多くなるほど、それに比例して変異ウイルスができやすくなります。また、感染力の少しの違いが、ウイルス感染者数に大きな影響を及ぼします。ごく単純な例で説明してみましょう。

最初のウイルス感染者が、誰か1人だけにうつすとします。そして、1人目が治った時点で2人目が発症し、また次の人にうつす。それが延々と続くとします。この例だと、いつまでたっても感染者は1人だけです。それに対して、2人に感染させる変異ウイルスが出現したとします。10回感染が続きました。さて、何人の感染者が出るでしょう?かけ算になりますので2の10乗、すなわち1024人になります。

英国型の変異ウイルスは最大で70%感染力が強いとされています。これをどう解釈するかは難しいのですが、実効再生産数が0.4引き上げられるという試算もあります。

8割おじさんで有名になった実効再生産数とは、1人の感染者が平均して何人に感染させるかの数字で、1より大きければ感染は拡大に、小さければ縮小に向かいます。それが、先の例のようにかけ算で効いてきますから、わずかな数字の違いが感染状況に大きく影響します。変異ウイルスの感染力、相当に恐ろしいかもしれません。

新型コロナウイルスの変異ウイルスであろうがなかろうが、予防の原則はかわりません。マスク、手洗い、密を避ける、です。とりあえずは、なんとかこれで冬を乗り切りましょう!

大阪大学教授 中野徹先生 』

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