2013年9月 大阪リバーサイドクラブ・ロータリーでの自己紹介挨拶 故横尾博子

皆様こんにちは。
私は入会させて頂き早3ヶ月が経ちました。その間皆様には、やさしく接していただき、とても感謝しています。ありがとうございます。
私はこのような所で長々お話をするのはとても苦手ですので、後半は私のカウンセラーの神崎様にお願いしていますので、神崎会員、後半はどうぞ宜しくお願いします。時間を取るようにできるだけゆっくりお話しさせて頂きます。

私は昭和20年生まれです。今は合併して中央区ですが以前の東区出身です。
当時は戦後間もないので家の裏を畑にして野菜を作っていました。ある日親戚のおじさんが鶏を一羽連れてきて、そこに放しました。私にとっては初めて見る鶏で、目がくるくるしてとてもかわいらしく、大変喜びました。おじさんはえさをたくさんあげてと言ったのでえさをあげて遊んでいました。すると母が姉と一緒におつかいに行くように言いました。仕方なく渋々行きました。おつかいから帰ってくると夕方になっていました。私はすぐに鶏を見に行きましたが見つかりません。みんなに聞きましたが知らないと言います。その日の夕食はおじさんを囲んでお鍋でした。私は一人で食事もとらず暗くなるまで鶏を探していました。すると姉がやってきて鶏はあの鍋の中だと言いました。それ以来私は鶏が食べられません。今もです。焼き鳥の看板も嫌いです。

私の通っていた小学校は堺筋の高麗橋にあり、当時堺筋にはチンチン電車が通っていました。子どもの足では少し距離があるのでこのチンチン電車にほんの少しですが乗れることが楽しみで休まず学校に通っていました。この通りをなぜ堺筋というかと申しますと、昔堺の商人が多く行き来していたので堺筋というそうです。当時はとても賑やかでした。

ところが、その後この辺りはドーナツ化現象でお昼は賑やかですが、住民が極端に少なくなり区も東区と西区と南区の一部が合併され中央区になり、私の通っていた想い出の小学校も併合されてしまいました。
しかし、最近はまた高層マンションが出来だし、住民が増えてきたそうです。

そこで大学までいて、学校を卒業してほどなく結婚により現在の西宮市甲子園に参りました。するとこの家の人たちはその場所柄か猛烈な阪神ファンでした。そして、私に一番に野球はどこのファンか聞きました。私は当時野球など興味がなく詳しいルールもはっきり知らず、強いて言えば好きなのは巨人大鵬卵焼きのほうでしたから。巨人だと答えました。すると全員からのブーイングです。これは大変な家に来たものだととても後悔いたしました。

あれから40年。
今では子ども、孫を引き連れ、今日こそは勝ちそうだと思うと各自グッズ一式揃えて球場へ参ります。
因みに、孫が初めて歌った歌は六甲おろしでした。
わたしは子供が3人と孫が2.9人来月3人になります。

次に仕事のほうのお話をさせていただきます。私は現在は会社所有の数棟のマンションの管理・運営をしています。私は人間・動物・生き物全般に興味がありますので、色々な人間関係が絡み合うこの仕事が実に面白く私に向いているのではと思っています。

本社は大阪南港にありまして、現在は木材のプレカットをしています。
プレカットといいますのは、大工さんが図面をもとに柱や梁などの木材に墨付けし、木材を手加工していた部分を、コンピューター制御による機械で行う木造住宅加工システムのことです。
最近では、構造部分だけでなく窓枠や屋根や床までも加工する技術へと進化しています。
プレカットの利点は
・大工の手加工ではないので品質にばらつきがなくなる
・プラモデルのように組み立てるだけなので大工の熟練度はそれ程必要ない
・現場で木屑などのごみが出ず近隣に迷惑がかからない
・耐震計算などができる
・建坪30坪の木造住宅のプレカット材は約3時間で出来上がります
今ではだいたい発注から現場納入・上棟までが4~5日できるようになりました。

次に私どものプレカット工場では一日にトラックに数杯の木屑ができます。これを今は有料で業者に引き取ってもらっています。この木屑を何か有効に利用できないものかと以前から業界の問題点です。一部は木れんがにしたり、屋上の花壇に軽いので土の代わりに使用されています。

わが社のプレカット材の大半を仕入れている会社、私どもの最大の取引先でこの木屑がわが社の10倍以上は出る会社があります。この会社は阪神淡路大震災後、10年ほど前からこの木屑を使って発電装置を作られました。するとこの社長さんを材木屋の道楽者のやることだ、そんなの今じゃ原子力発電ができており、そんな効率の悪い発電は利益が上がらないしリスクが高すぎると業界ではあまり相手にされていませんでした。

ところが2年半前の東日本大震災によるあの原発事故です。途端にこの会社が一斉に世間の注目の的となりました。私も工場のほうに参りましたが、次々と見学のバスが来ておりました。この方は新聞に載りテレビにも引っ張りだこで時の人です。

そしてこの会社は今までの製材から出る木屑と合わせてこの会社の裏が山林になっており、そこから出る間伐材等による発電で政府も加わり大規模な官民一体の木質バイオマス発電会社を設立されました。この会社がこの木板発電の先駆けとなりました。

私は原発は反対ですが、それにはその代わりとなるものが必要ですのでこの問題にはとても関心を抱いていますので少し調べてきました。

2012年7月、再生可能エネルギーの買い取り制度ができて、木質バイオマスから得た発電も買い取りの対象となり、採算が見合う見通しが立ちました・それ以後大手の会社が今続々とこの事業に参入してきています。
木質バイオマス発電の長所は発電所から離れた場所から燃料の木材を運ぶ必要がある。これは短所のように見えるが実は長所なのです。
設備を稼働しさえすれば電力が得られる、太陽光や風力などの他の再生可能エネルギー発電と異なり、燃料の購入費の殆どが木材収集の人件費として地元に落ちてるので、人手がかかる分だけ地元経済の活性化が期待できます。

太陽光や風力は気候頼みですし、設置後は雇用などが生まれません。
木質バイオマスから得た電力の買い取り価格を林野庁は地元の林業関係者にも収益がいきわたることを考えて決められました。
ですのでこれからこの発電を広げていくには、今後はどのようにして円滑に木材を供給できるかということです。燃料の安定調達の問題と綿密なコスト管理ができれば木質バイオマス発電をますます発展させていくことが出来、これからの有望な電力源となります。

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