☆経営者は「目前の景気の波に対して一喜一憂しないこと」である。信仰を持たない人でも、経験の深い、練達の経営者は常に大きな展望を持ち、目の前に起こった景気の小さな落ち込みに慌てふためくこともなく、また景気がうなぎのぼりになっても有頂天になることがない。
この世の中のありとあらゆる現象は波によってできているといって良い。
月の満ち欠けから四季の移り変わり、人間の呼吸や心臓の鼓動から、気分の高揚沈静まで、波(リズム)でないものはひとつもない。
景気にもそれがあることはもちろんである。この真実を大きな目で達観し、低い谷に静かにその動向に身を任せて、じっと辛抱することである。
そして波の高まりを待つのである。波が高まってきたら敏感にその動きをつかんで、素早く波に乗る。
これが賢い経営者といえよう。
ましてや仏法の信仰者は「諸行無常(すべてのものは変化する)」という真理を知っている。我々は実人生のうえにそれを当てはめて考え、活用しようとしなければならない。経営の最大の秘訣は「社会と共に栄えること」をめざすことだということになろう。
物を生かし、人を生かし、さらには国を生かし、世界を生かすと言う気魄(はく)を持って仕事をすれば天地の法は必ず味方してくれる。
その人自身をも生かしてくれるのである。
☆企業は生き延びねばならない。そのためには成長しなければならない。 経済社会は意外性に満ちている。変化をすばやくキャッチする企業の戦略組織・人事さらに企業の存在理由(レーゾンデートル)そのものまでデザインしていかなければならない。
☆逆境こそ会社発展のチャンスである。 経営環境が激変する時にはだれでも気迷いを生ずるものだが、その時こそトップマネジメントの先見性と機動力を試すチャンスである。目的達成までに粘りに粘る。
☆どんな仕事にも危険は伴う。その危険率をできるだけ縮めて、かついかにして克服するかという点に経営者としての手腕がかかっている。危険を恐れては経営はできない。
☆従業員が安心して生活できることなくして社業の繁栄はありえないし、社業の隆盛なくして従業員の幸福もありえない。経営者の責務は働く者の生活に責任を持ち、会社を立派に育て、それを次の後輩に渡していくことにある。
☆いま会社社員の中でなにかが失われている。創業時にあったはずの心のありかたであり、創業魂である。どの企業も創業時はベンチャー企業であり、多くのリスクを抱えながら果敢にチャレンジした。がむしゃらさがあった。創業時の創業者の熱いおもいが薄れ、われわれの心のなかにマンネリが発生して、社内が膿みだしてくるのが一番恐い。
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