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将棋の米長の名人は職業柄、「運」について随分研究したそうです。
その結果、「運が良くなるためには、女神に好かれなければならない。女神は笑いと謙虚を大いに好む。」ということに気付いたそうです。
幸田露伴は「努力論」というエッセイで「運」についての処世術を展開しています。
私がそのエッセイを読んだわけではありません。古本屋でもなかなかみつからないし、その上難解な文語文でわれわれにはいたって読みづらいらしいです。
彼は幸福が主観の判断によるものであることを承知していました。しかしその上で、幸福とか不幸とかが世間相場では大体一致していることも観察していました。そして世人が幸福としているものが、比較的よくまわってくる人と、そうでない人とがいることを感じていました。
露伴は「幸福に遭ふ人、および幸福を得る人と然らざる人とを観察してみると、その間に希微の妙消息が有るやうである。」と微妙な法則性があると感じ、それを整理しました。
そして「惜福」「分福」「植福」の思想を説いています。 |
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